【初心者OK】分電盤の見方が5分でわかる!スイッチの意味とトラブル対処法

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オフィスでパソコン作業に集中していると、突然モニターが真っ暗になり、フロア全体が静まり返る。あるいは、給湯室で電子レンジを使った瞬間、パチンという音と共に電気が落ちてしまう。こうした経験は、多くの方が一度は体験したことがあるかもしれません。


そのたびに、私たちは普段あまり意識することのない「分電盤」の前に立つことになります。ずらりと並んだスイッチを前に、「どのスイッチを上げればいいのだろう?」「そもそも、なぜ急に電気が落ちたんだろう?」と戸惑うこともあるでしょう。


多くの場合、ブレーカーを上げ直せば電気は復旧するため、つい「またか」とやり過ごしてしまいがちです。しかし、頻繁にブレーカーが落ちるという現象は、分電盤が送る重要な警告サインかもしれません。それは、電気の使いすぎを知らせているのかもしれませんし、もっと深刻な電気トラブルの前兆である可能性も否定できません。


分電盤の見方を正しく理解することは、単に電気を復旧させるためだけではありません。オフィスの業務を止めないため、そして火災などの大きな事故から従業員と資産を守るための、重要なリスク管理の一環です。もし見て見ぬフリを続けていると、ある日突然、取り返しのつかない事態に繋がる可能性もあるのです。




■ まずは基本から!分電盤の主要ブレーカー3つの見方と役割

分電盤にはいくつかのスイッチが並んでいますが、主なブレーカーは3種類です。それぞれの役割と見方を理解すれば、トラブル時にも落ち着いて対応できます。



・家全体の電気を守る「サービスブレーカー(アンペアブレーカー)」

分電盤の中で一番大きい、もしくは一番左端にあることが多いブレーカーです。これは電力会社との契約アンペアを決めるもので、「40A」のように数字が書かれています。建物全体で契約アンペア以上の電気を同時に使うと、このブレーカーが落ちて全ての電気が止まります。これが落ちる場合は、単純に電気の使いすぎが原因です。一度に使う電気製品の数を減らすなどの対策が必要になります。



・漏電を検知する「漏電ブレーカー」

分電盤の中央あたりに設置されていることが多いブレーカーです。「テスト」と書かれた赤いボタンが付いているのが特徴です。その名の通り、電気回路のどこかで漏電(電気が本来のルートから漏れ出している状態)を検知すると作動します。漏電は感電や火災に直結する非常に危険な状態のため、このブレーカーが落ちた場合は特に注意が必要です。原因が特定できないまま安易にブレーカーを上げるのは避けるべきです。



・各部屋や回路を守る「安全ブレーカー(配線用遮断器)」

小さなスイッチが複数並んでいる部分が、安全ブレーカーです。それぞれが「リビング」「キッチン」「エアコン」といったように、特定の部屋やコンセントの回路に繋がっています。特定の安全ブレーカーだけが落ちる場合は、その回路で電気を使いすぎているか、接続されている家電製品自体に問題がある(ショートなど)可能性が高いと考えられます。どのブレーカーがどの場所に対応しているか、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。




■ なぜブレーカーは落ちるのか?プロだけが知る3つの根本原因

ブレーカーが落ちるという現象には、必ず原因があります。その原因は大きく3つに分けられ、それぞれ危険度も対処法も異なります。専門家の視点から、その根本原因を解説します。



・原因1:電気の使いすぎ(容量オーバー)

最も一般的で、危険度が比較的低い原因です。オフィスであれば、複数のパソコン、複合機、エアコンなどを同時に稼働させた場合に起こりやすくなります。これは、建物全体で契約している電気の容量、あるいは各回路で許容されている電気の容量を超えてしまった状態です。この場合は、使用する機器を減らすか、時間帯をずらして使うことで解決できます。しかし、これが頻繁に起こるようであれば、業務の実態に対して電気容量が不足しているサインかもしれません。



・原因2:漏電

これは非常に危険な状態です。電線や電気製品の内部が劣化・損傷し、電気が本来の通り道から漏れ出している状態を指します。漏れている電気に人が触れると感電事故に、また建物などに流れ続けると火災の原因になります。漏電ブレーカーが落ちた場合は、この漏電が発生している可能性が極めて高いです。どの回路で漏電が起きているのかを特定し、原因となっている箇所を修理しなければ、根本的な解決にはなりません。



・原因3:ショート(短絡)

ショートも火災に繋がりうる危険な現象です。電気コードの被膜が破れて中の電線同士が接触したり、コンセントに水やホコリが入ったりすることで発生します。ショートが起きると、回路に一瞬で非常に大きな電流が流れるため、安全ブレーカーが作動して電気を遮断します。焦げ臭いにおいがしたり、コンセント部分が黒く焦げたりしている場合は、ショートを疑うべきです。そのコードや製品は絶対に使用しないでください。


また、これらの原因に加えて見落としがちなのが「分電盤自体の老朽化」です。分電盤の交換目安は約10年から15年と言われています。古い分電盤は、現在の安全基準を満たしていなかったり、内部の部品が劣化して正常に作動しなかったりするリスクを抱えています。頻繁なトラブルは、分電盤そのものが寿命を迎えているサインかもしれないのです。



■ やってはいけない!分電盤トラブルでよくある失敗と正しい対処法


ブレーカーが落ちた時、焦りからつい取ってしまいがちな行動が、かえって事態を悪化させたり、危険を招いたりすることがあります。ここでは、分電盤トラブルにおける典型的な失敗例と、そうならないための正しい対処法を解説します。



・失敗例1:原因を考えずに、何度もブレーカーを上げ直す

ブレーカーが落ちた際、とりあえずスイッチを上げ直す方は多いでしょう。一度で復旧すれば問題ない場合もありますが、すぐにまた落ちる場合は注意が必要です。特に漏電ブレーカーが何度も落ちるのに、無理やり上げ続けるのは非常に危険です。漏電という根本的な問題が解決されないまま電気を流し続けることになり、感電や火災のリスクを高めてしまいます。



・失敗例2:契約アンペアだけを上げれば解決すると思っている

頻繁にサービスブレーカーが落ちるからといって、電力会社に連絡して契約アンペアを大きくするだけでは、根本的な解決にならない場合があります。建物内の配線が、増やしたアンペアに対応できる設計になっていなければ、配線が過熱して火災に繋がる恐れがあります。契約アンペアの変更は、必ず事前に電気工事の専門家に相談し、配線設備の状況を確認してもらう必要があります。



・失敗例3:とりあえず安価な業者に点検を依頼してしまう

「とにかく安く済ませたい」という気持ちから、料金の安さだけで業者を選んでしまうのも失敗のもとです。電気工事は専門的な知識と技術が求められる、安全に直結する作業です。経験の浅い業者や、必要な調査を省くような業者に依頼してしまうと、トラブルの原因が正しく特定されなかったり、不適切な工事で後々さらに大きな問題に発展したりする可能性があります。




■ 分電盤の不安を解消するために。なぜ勝電設の電気工事が選ばれるのか


分電盤のトラブルや電気設備の不安を根本から解消するためには、信頼できる専門家への相談が不可欠です。では、どのような基準で業者を選べば良いのでしょうか。ポイントは「対応範囲の広さ」「実績の豊富さ」「安全管理体制」の3つです。


そして、これらの条件を満たすのが、私たち勝電設株式会社です。


まず、勝電設は分電盤の交換といった部分的な工事だけでなく、電気設備全体の設計から施工、その後の保守・メンテナンスまでを一貫して手がけることができます。これにより、場当たり的な対処ではなく、建物全体の電気使用状況や将来的な拡張性までを見据えた、最適な解決策をご提案することが可能です。


また、私たちのウェブサイトに掲載されている「Works(施工事例)」をご覧いただければ分かる通り、オフィスビルや工場、商業施設など、多岐にわたる建物の電気工事を手がけてきた豊富な実績があります。この経験こそが、お客様それぞれの状況に合わせた的確な診断と、質の高い施工を可能にしています。


分電盤のトラブルは、より大規模な受変電設備(キュービクル)の不調や、電気容量そのものの不足が根本原因であるケースも少なくありません。勝電設は、そうしたより上位の設備更新や増設にも対応できる技術力を持っています。目先のトラブル解決だけでなく、お客様の事業活動が将来にわたって安全かつ快適に行えるよう、プロの視点から電気環境全体をサポートします。


施工事例の詳細は、こちらのページからご覧いただけます。

https://www.katsudensetsu.jp/works




■ まとめ:分電盤は建物の"心臓部"。安全な環境維持のために、今すぐ確認を


この記事では、分電盤の基本的な見方から、ブレーカーが落ちる根本的な原因、そしてトラブル発生時の正しい対処法について解説してきました。


分電盤の見方を知ることは、電気トラブルの発生時に落ち着いて初期対応をするための第一歩です。しかし、最も重要なのは、ブレーカーが落ちるという現象の裏に隠された「危険のサイン」を見逃さないことです。特に、漏電やショートが原因の場合や、頻繁にトラブルが繰り返される場合は、専門家による点検と適切な処置が不可欠です。


分電盤は、いわば建物の電気系統における"心臓部"です。その働きが不安定になれば、事業活動の停止はもちろん、従業員の安全さえも脅かしかねません。


まずは一度、自社の分電盤を確認してみてください。もし、見た目が明らかに古い、焦げたような跡がある、頻繁にブレーカーが落ちるといった不安な点があれば、それは専門家による診断が必要なサインです。


勝電設株式会社は、お客様の様々なニーズに真摯に向き合い、電気に関するあらゆるお困りごとを解決します。ささいなことでも構いません。電気設備に関するご相談や点検のご依頼は、お気軽にお問い合わせください。

https://www.katsudensetsu.jp/contact