工場の改修工事などで、「新しい分電盤のサイズはどうしますか?」と聞かれ、「一般的な規格サイズでお願いします」と答えてしまうのは少々危険です。
家庭用の分電盤(ホーム分電盤)であれば、JIS規格などで標準的な寸法が決まっており、メーカーのカタログから「回路数」を選ぶだけでおおよそのサイズが決まります。
しかし、工場の分電盤は事情が異なります。
中に入れるブレーカーの大きさもアンペア数によってバラバラですし、マグネットスイッチ(電磁接触器)やタイマーなどの制御機器を組み込むことも多々あります。
つまり、工場の分電盤における「規格」とは、あくまで「空っぽの箱(キャビネット)」のサイズ規格であって、「中身が入った完成品」としての統一規格ではないのです。
「カタログに載っているからこれでいいだろう」と安易に選ぶと、「配線が収まりきらない」「熱がこもってブレーカーが落ちる」といったトラブルの原因になります。
このセクションでは、失敗しないサイズ選びの基礎知識をお伝えします。
【目次】
- 工場の分電盤に「決まった規格サイズ」は存在しない?
- サイズを決定する3つの要素(H・W・D)
- サイズ選びで最も重要な「余白」の考え方
- 既製品(標準盤)と特注(オーダー盤)の使い分け
- 狭い場所でも最適設計! 勝電設の盤製作・設置
- サイズは「工場の未来」を想定して決める
■工場の分電盤に「決まった規格サイズ」は存在しない?

工場の改修工事などで、「新しい分電盤のサイズはどうしますか?」と聞かれ、「一般的な規格サイズでお願いします」と答えてしまうのは少々危険です。
家庭用の分電盤(ホーム分電盤)であれば、JIS規格などで標準的な寸法が決まっており、メーカーのカタログから「回路数」を選ぶだけでおおよそのサイズが決まります。
しかし、工場の分電盤は事情が異なります。
中に入れるブレーカーの大きさもアンペア数によってバラバラですし、マグネットスイッチ(電磁接触器)やタイマーなどの制御機器を組み込むことも多々あります。
つまり、工場の分電盤における「規格」とは、あくまで「空っぽの箱(キャビネット)」のサイズ規格であって、「中身が入った完成品」としての統一規格ではないのです。
「カタログに載っているからこれでいいだろう」と安易に選ぶと、「配線が収まりきらない」「熱がこもってブレーカーが落ちる」といったトラブルの原因になります。
このセクションでは、失敗しないサイズ選びの基礎知識をお伝えします。
■サイズを決定する3つの要素(H・W・D)

分電盤のサイズは、高さ(Height)、幅(Width)、深さ(Depth)の3つの寸法で決まります。それぞれの寸法を決める要因は以下の通りです。
・高さ(H)と幅(W):機器の配置と配線スペース
これは主に「中に入れたい機器の数と大きさ」で決まります。
メインの主幹ブレーカー、分岐ブレーカー、端子台などを並べたときに必要な面積です。
しかし、機器がギリギリ入れば良いわけではありません。重要なのは「配線スペース(ガター)」です。太い幹線ケーブルを曲げて接続するには、ブレーカーの上下左右に十分な空間が必要です。この配線スペースを確保しないと、物理的に工事ができない(線が繋げない)という事態に陥ります。
・深さ(D):機器の厚みと発熱量
意外と見落とされがちなのが「深さ(奥行き)」です。
アンペア数が大きいブレーカーや、インバーターなどの機器は厚みがあります。扉を閉めたときにぶつからない深さが必要です。
また、盤内の容積は「放熱性能」に直結します。深さが浅すぎると空気の対流がうまくいかず、熱がこもりやすくなります。
一般的に、日東工業や河村電器産業などのメーカーから販売されている汎用キャビネット(鉄製基板・木製基板)には、豊富なサイズバリエーションがありますが、これらの中から「中身」に最適なものを選定する知識が求められます。
■サイズ選びで最も重要な「余白」の考え方
「設置場所が狭いから、できるだけ小さな箱に詰め込んでほしい」
お客様からよく頂くご要望ですが、プロの電気工事業者としては、安易なダウンサイジングはおすすめしません。なぜなら、「余白(スペース)」こそが分電盤の寿命と拡張性を決めるからです。
・「放熱スペース」がないと寿命が縮む
電気を流せば、ブレーカーや電線は必ず発熱します。
盤内が機器でギチギチに詰まっていると、熱の逃げ場がなくなり、盤内温度が上昇します。
温度が10℃上がると、電子機器やコンデンサの寿命は半分になると言われています(アレニウスの法則)。特に夏場の工場は室温も高くなるため、盤内の余白による自然放熱は非常に重要です。
・「予備スペース」は将来への投資
工場は生き物です。数年後には新しい機械を導入したり、ラインを変更したりする可能性があります。
その時、分電盤に「予備のブレーカーを取り付けるスペース(予備スペース)」があるかどうかが、コストを大きく左右します。
もしスペースがなければ、新たに別の盤を設置する工事が必要になり、数十万円の追加コストがかかります。
最初から一回り大きなサイズを選び、予備スペースを2〜3回路分確保しておくだけで、将来の増設工事が「ブレーカーを1個付けるだけ」の数万円で済むのです。
「今のサイズ」ではなく、「5年後の工場の姿」を想像してサイズを決めることが、賢い選択と言えます。
■既製品(標準盤)と特注(オーダー盤)の使い分け
工場の分電盤を用意する方法は、大きく分けて2つあります。メーカーがカタログで販売している「標準分電盤(または汎用キャビネット)」を使うか、板金から設計して作る「特注分電盤(オーダー盤)」かです。
それぞれのメリット・デメリットを理解し、現場の状況に合わせて使い分けることがコストダウンの鍵です。
・既製品(標準分電盤・汎用キャビネット)
日東工業や河村電器産業などが販売している、鉄製の箱や、あらかじめブレーカーが組み込まれた製品です。
- メリット
大量生産されているためコストが安く、納期も早ければ即納〜数日で手に入ります。防水・防塵性能(IP規格)が保証されているものも多くあります。
- デメリット
サイズが一定の規格(例:高さ500mm、600mm、700mm...と飛び飛び)で決まっているため、設置場所に「あと数センチ」で入らないということが起こり得ます。また、内部の機器配置の自由度は低くなります。
・特注品(オーダー分電盤)
盤メーカーや電気工事会社が、鉄板の加工から設計・製作する一点物です。
- メリット
高さ・幅・深さをミリ単位で指定できるため、柱の間のニッチなスペースや、機械の隙間にピッタリ収めることができます。また、動力と電灯を一つの盤にまとめたり、特殊な制御回路を組み込んだりする設計も自由自在です。
- デメリット
設計・製作に時間がかかるため、納期は2週間〜1ヶ月以上かかることが一般的です。コストも既製品に比べて割高になります。
■狭い場所でも最適設計! 勝電設の盤製作・設置
「うちは古い工場でスペースがないから、既製品では入らない」
「コストは抑えたいけれど、特殊なブレーカーを入れたい」
そんなお悩みをお持ちの工場様は、ぜひ勝電設 株式会社にご相談ください。私たちは、既製品の活用からフルオーダーメイドの設計まで、お客様の現場に最適なプランをご提案します。
・1. 現場の「デッドスペース」を活かす提案力
設置場所がないと諦めていませんか?
私たちは現場調査を徹底し、「既製品のキャビネットを加工してコストを抑える方法」や、「壁面ではなく、架台を組んで空中に設置する方法」など、現場のデッドスペースを有効活用するアイデアをご提示します。
・2. 「中身」のカスタマイズが得意
箱自体は安価な汎用キャビネットを使いつつ、中身(中板)のレイアウトを工夫することで、コストを抑えながら高機能な分電盤を製作することが可能です。
ブレーカーの配置だけでなく、電力量計やタイマー、マグネットスイッチなどの制御機器も、操作しやすい配置で組み込みます。
・3. 増設・改修の将来設計
セクション3で触れた「予備スペース」についても、お客様の今後の事業計画をヒアリングした上で確保します。
「とりあえず今動けばいい」という工事ではなく、「10年後も使いやすい」電気設備を構築します。
■サイズは「工場の未来」を想定して決める
分電盤のサイズ選びは、単なる「箱選び」ではありません。それは、工場の生産能力の「器(うつわ)」を決めることです。
小さすぎる器には、将来の成長を盛り込むことはできません。逆に、適切なサイズと設計で設置された分電盤は、機械の増設やレイアウト変更にも柔軟に対応でき、長く工場の稼働を支え続けてくれます。
「カタログを見てもどれを選べばいいか分からない」
「特注で作るといくらくらいかかるのか知りたい」
そのような疑問をお持ちの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。
勝電設が、あなたの工場の「現在」と「未来」にぴったりのサイズをご提案いたします。

